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改めて音楽と向き合ってみる
さくらんぼの美味しい季節ですが、今年はこの時期から既に猛暑!ベランダでのティータイムは さくらんぼ共々クラフティになりそうで断念。
さて 一人の偉大な音楽家を知り、追っかけを始めたのが 去年の春。その時、人生観が変わった!と言った通り、まず 日常生活が変わった。毎日 ピアノを弾く、自発的に練習する、という 今までは考えたこともなかった、どちらかといえば 逃げて 避けていたことが、こんなにワクワク楽しいことだったなんて!
しかも、偉大なる音楽家は 信じ難く多忙なコンサート活動の中、ピアノを勉強したい人のために、と 勉強会、講習会など 次々と学ぶ機会を与えてくださる。
そんな中で、様々な事情を抱えながらも ピアノを弾くことを愛し、学ぼうとしているたくさんの方たちとも出会った。
私は音楽家ではあるが、ジャンルが違うし、ピアノは 全くついていけないレベル、新参者として そこからも多くを学ばせていただいている。
私の子供時代は 母も 周りの大人たちも、私に バイオリンを弾くこと以外、何一つさせてくれなかった。また 笑い話のような実話ですが、幼稚園から音楽教育専門のクラスに通い、小中時代も 学校より音楽教育が優先された環境にありながら、高校生の時 転校して 外部の音楽好きな友達が出来るまで、ベートーベンが幾つ交響曲を書いたかも 知らなかったのです。
周りが音楽家だらけで、毎日のように オーケストラも聞いて育ちながら、ほぼ 曲のタイトルすら知らなかった。つまり、自分が演奏する曲のこと以外は一切考えるな、という洗脳が されていたわけで、ユースシンフォニーに参加して 一般教育の中で 音楽を勉強している仲間と出会ってから、ようやく音楽的一般常識と 音楽を愛好する気持ちが 少しずつ身に付いていった という、今にして思えば とんでもない教育現場だった。周りもバイオリン演奏ロボット育成に 何を期待していたのか?と呆れるが、私が 余りにも世間知らずで 奥手だったのかもしれない。
その後、紆余曲折あって今日までの間、ずっと一貫していたのは 学びたい!という強い願望。というか 好奇心ですね!
毎日ピアノを弾き始めて 約一年、少しずつレパートリーが増えてきた。バイオリンとは全く違う練習方法や、 いろんなアプローチの仕方を、偉大なる音楽家は あちこちでヒントを出してくる。自分のレッスン時は呼吸も止まるほど緊張し、レッスン聴講も レッスン動画を見るにも 一言も逃すまいと集中し、それが 一つ一つ 宝物になって 溜まっていく幸福感!
演奏家の 音楽との向き合い方は様々で、例えば演奏会が終わったら 一旦、全部忘れてしまう、という人もあれば、偉大なる彼のように レパートリーは 全て頭にも身体にも入っていて、常に最高のクオリティで演奏が出来る状態を保っている、という「神」もいる。
育ってきた音楽環境にもよるのかも、だが、私の場合は 試験で弾いた曲を一切覚えていない。たまたま 同じ曲で試験を受けることが重なり、どれほど練習したか知れないのに!
しかし、今までの全ての体験の中で 無駄は一つも無い、と信じている。回り道したかも、だか、そこにも得難い経験があった。
バイオリンという楽器の特性から、年齢的な限界があることを、私はかなり若い時から見聞きし、自分でも 覚悟していた。
「バイオリンが高価なのは、楽器を売ったお金で老後を過ごすため」という話も 耳タコで聞かされ、事実、ユニオンから退職金をもらい、田舎に隠居していく先輩もいて、バイオリンの演奏を続けるなら 何か方法を講じないと、といのは かなり若い時から考えていた。
というわけで、私は今、アルゼンチンタンゴの世界に身を置いている。バイオリンを弾く、というのは同じでも 全てが違っていて、クラシックとタンゴの違いを語り始めたら 千夜一夜物語になりそうなので、それはまたの機会にしよう。
アルゼンチンタンゴバイオリ二ストとしてデビューして 今年で20年、未だに 自分で納得のいかないことばかりだ。まあ、日本人の私が アルゼンチン人と同じパフォーマンスが出来る訳もなく、私なりのタンゴを模索し 追求していくのみ。
何時も 好奇心と 探究心が私の背中を押してくれる。
もう クラシック音楽の世界に戻ることは無い、と 勝手に決めていたのは、タンゴ界に入ってからずっと「クラシック臭い演奏」と言われ続けたこともあり、自分の中身から変えないと タンゴは出来ない、と 思い込んで、右利きが箸を左で持つような 頑な努力を続けていたかもしれない。
それが クラシック界の頂点に立つ人を知り、その人の音楽講座を聞いてしまった途端、自分の住む水がどこにあるのか 解ってしまった。まあ 無理もない、タンゴ歴の何倍? 2歳から身をおいていた水なのだ。しかも その人は事も無げに「両方やればいいじゃん」と仰った。私がいかに不器用な人間か、またしても気づくことになった瞬間だった。
こんなにも不器用でありながら、いや 不器用だからこそ、バイオリンしか弾けない人間にだけは なりたくなくて、好奇心の赴くまま いろんなことに手を出してきた。
今現在、細々でも続けている副業は 決して経済的な支えにはならないが、全てが演奏活動に反映されていることは事実、そこでしか知り得ない たくさんのことが、 狭すぎる視野を広げ、パフォーマンスに深みと彩りを与えてくれていることは 間違いない。
というわけで、今週末には タンゴデュオライブがあります。
世の中が ちょっとは落ち着きを見せ、ライブ活動も 定期的にやれるかな?と思っているところに この暑さです。
お越し下さる皆様、どうぞ 充分にお気をつけて、ご無理のないように お出かけください!
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(KOKO SUTUDIO) 2022年6月28日 18:02
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