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絶対音感について


音楽をやっていると、絶対音感の有無が よく話題になります。
私の場合、2歳から音楽をやっているので、字よりも先に楽譜が読めたし、絶対音感も 知らない間に身についていました。
絶対音感とは、聞こえた音を楽音(五線紙に書ける音) として 認識できる能力、とでも言うのでしょうか。例えば 車のクラクション、サイレンなどはもちろん、コップを弾いた音から ドアの軋みまで、全て 音程として認識してしまう、平たく言うと 全て ドレミ…のどれかに聞こえてしまうのです。
特に クラシック音楽に長く関わっていると、音程の協和、不協和が 身体に染み付いてしまうので、和音、重音(ハーモニー)の音程には 本能的に反応します。
タンゴを演奏するようになって、一番戸惑ったのは 音程の微妙なニュアンスでした。 百発百中で音程を外さない練習を 毎日毎日 繰り返すことしかやって来なかった人間には、音程に感情がこもる なんてことが 理解しにくくて、未だに 悪戦苦闘してます。心に響く音楽というものは、マシンのように正確な演奏ではなくて、気持ちと共に揺らぐものこそが 心に共鳴するのでしょうね。

バイオリンのような 音程を自分で作る楽器は、何らかの音感があった方がいい のは確かですが、小さな子供に 絶対音感をつけようとすることには、幾つかの問題があります。
私の場合、オーケストラの指揮を勉強する時に とても困りました。
楽器の中には 移調楽器というものがあり、楽譜上の音と 実音とが異なるのです。楽譜に ド と書いてあっても、実際に出てくる音は ファ だったり、シのフラットだったり、ミ だったり…
クラリネット、ホルン、サキソフォン等が それに当たります。
指揮をしていた当時は、記譜上の音と実音の換算表を片手に 一音ずつ確かめるしかなく、本当にたいへんでした。
また、自分のピッチが決まってしまっているため、古典楽器との演奏など ピッチの低い状態での演奏は、身体が拒否反応を起こします。

絶対音感が無くては 音楽家になれない、などということは 全く無いので、自然に身についてしまった場合はともかく、わざわざ訓練して つけるものではない、と 私は考えています。







[猫]KOKO♪


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