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演奏家として 思うこと
以前、あるジャズプレーヤーが ジャズ初心者の女性をライブに連れて行ったところ、演奏家としては一番の聴かせどころである アドリブの部分を「無い方が良かった」と言われて 椅子から転げ落ちるほど ビックリした。という記事を読みました。
また、あるクラシック演奏家が 老人施設にボランティアで演奏を申し出たところ、丁重に御断りされた理由が「退屈だから」という話も。
演奏家と聴衆の間にある 限りなく深い溝… これは ジャンルには関係ありませんね。実は タンゴでも「生演奏ミロンガは 踊りにくい上に チャージが高いから 行きたくない」という残念な声を耳にすることがあります。
一般的には、生の演奏を聴く機会って あまり日常的では無いですよね。多分、お客様は皆 特別な思いを持って ライブを聴きに来て下さるのです。
かたや 演奏する側は 演奏することが日常であり、自分にとって当たり前のことをやってるわけで、この温度差は 溝の一因になってると思います。
しかし、最も問題なのは 私たち演奏家の 考え方ではないかしら。
ジャズマンは アドリブに命をかけてるし、クラシック演奏家は 小さい時から脇目も振らず 毎日長時間の練習に耐えて 古典的名曲に取り組み、どちらも お客様がそこに居ることすら 目に入らない…
演奏は、聴く人があって 初めて 音楽 になります。自分だけで弾いているのは ただの 音。演奏家は皆、独り善がりにならず、自分を客観視出来る演奏家になって欲しいです。自分も含めて。
[猫]KOKO♪