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名曲喫茶 ライオン
渋谷で少し時間が空いたので、昔々 よく通った 名曲喫茶 ライオン に行ってみました。
1926年創業 というと、大正15年=昭和元年…
歴史の 遥か向こうの時代ですね!
私がよく通ったのは… 年代は置いて 高校時代でした。当時、ユースオーケストラに所属していて、練習場所が 渋谷のNHKだったので、練習後 仲間と ゾロゾロ歩いて 此処まで来て、何時間も 音楽論を語り合ったものです。
名曲喫茶というのは、クラシック音楽を鑑賞する場なので、お喋りは 本当は 禁止です。私達は 3階の 特別席を陣取って ひそひそ声が 段々にエスカレートしては トーンダウンを繰り返しつつ、本当に 熱く熱く 語ってましたね。
何十年!も経った今、薄暗い店内に入ると、椅子の並び方も 昔のままな気がします。正面が 巨大なスピーカーで、変わったのは レコードだったのが CDになったこと位でしょうか。(多分、CDだと思います)
昔は、名曲喫茶 と言われる店が 結構あちこちにありました。音楽科の学生の中には、自分でレコードが買えないので 名曲喫茶に来て 今練習している曲をリクエストして「協奏曲の1楽章を3回掛けて」とか 頼んでいることも よくありました。
レコードは CDになり、今や CDすら無くなりつつあり、音楽も ネットで配信される時代です。それでも、平日の午後 客席は ほぼ満席で、年齢層も 若い人から年配まで 様々でした。確かに、ヘッドホーンで聴くのと、巨大スピーカーを前に 広い空間で聴くのとは かなり差がありますからね。
名曲喫茶は、ちょっと趣きの違う 銀座ウェスト を除いては、昔からの生き残りは ここライオン位になってしまいましたが、老朽化にもメゲず 頑張ってる姿は、感動的でもありました。
私は、今は クラシックから遠ざかり、アルゼンチンタンゴを勉強してますが、ライオンの店内にいると クラシック音楽が掛かっているにもかかわらず、ブエノスアイレスにいるような錯覚を覚えたのは、そのレトロな雰囲気が タンゴと重なるからですね。
1926年といえば、アルゼンチンタンゴも まだ やっと今のスタイルに向けて歩み始めたばかり… この ライオン は、アルゼンチンタンゴの歴史と共に 今日此処に在るわけで、そう思って見ると、磨り減った床も 神々しく思えたりするのでした。
あと9年で 100年!
是非ぜひ 頑張って 残っててもらいたいお店です。
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